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5 遺贈による登記について
遺贈とそれに関連する登記について
遺贈とは、遺言者が遺言により財産を他者に与えることです。遺言者がその旨を遺言に書き込めば、遺言者の死亡により、その効力が生じます。遺言者は誰に対しても、遺贈をすることができます。不動産の遺贈を受けた者(受遺者)が、その所有権を第三者に対抗するには、登記が必要となってきます。
令和5年4月から、不動産登記法の改正により、相続人に対する遺贈は、その相続人が単独申請できることになりました。単独申請とは、登記申請の原則である共同申請の例外です。登記をすることにより、直接に利益を受ける者と、直接に不利益を被る者とが共同して、その登記を申請しなければならない、という原則があります。その例外とは、共同ではなくどちらか一方が、登記申請をすることを法令で認められている、ということです。
法改正以前は、遺贈の登記については、受遺者が誰であれ、遺言執行者(いないときは法定相続人全員)が登記義務者となり、受遺者との共同申請でした。改正により、相続人が遺贈を受ける場合だけは、登記義務者の関与が不要となったということです。(ただし、共同申請形式の構造に変わりなく、申請書には登記義務者の表示が必要です)
このように、相続人への遺贈登記の申請が簡便化することになったわけですが、ひとつ思うことがあります。遺言者の相続人となるであろう人(推定相続人)に対して、遺言により財産を相続させるのではなく、あえて遺贈という方式をとるということは、実際あまりないのではないかと。というのも、子や配偶者などの特定の相続人に財産を譲る方法(意思表示)として、特定の財産を共同相続人の一人または数人に承継させる旨を、遺言の内容とする「特定財産承継遺言」が、一般的に使われている方式だからです。
なお、この相続人への遺贈の登記の申請は、令和6年4月より義務化されることとなっていますので、ご注意ください。
そして、もうひとつこれに関連することで、従前の取扱いと違う点があります。相続人への遺贈の場合、登記義務者である遺贈者に住所変更があった場合、その登記は必要ないという点です。従前は、遺贈による所有権移転登記を申請するにおいて、登記記録上の住所と遺贈者の死亡時の住所が相違する場合は、住所変更の登記を前提ですることが必須でした。改正を機に、相続人への遺贈の場合には、その申請に住所変更を証する情報を添付することで、こと足りることになりました。権利者の単独申請ができることになったため、相続登記と同様の運用にしたのでしょうか。ただし、相続登記とは違い、申請書には先に触れた通り、遺贈者である登記義務者の住所氏名を表す必要があり、その住所は死亡時のそれを表すことになります。なお、相続人以外への遺贈による所有権移転登記申請につき、遺贈者の住所変更登記を要する取扱いは、従前のままで変わっていません。
他に遺贈の関係で注意すべき点として、その遺言に遺言執行者が指定されているときなどは、その者が遺贈による所有権移転登記の申請をする、つまり登記義務者となり受遺者と共に申請する、という点です。言い換えれば、遺言者の相続人は登記義務者として、申請には関与しない(関与できない)ということです。ただし、先述の相続人への遺贈の登記ならば、遺言執行者が出てくる余地はなく、関係のないことですが。
また、遺贈ではありませんが、「特定財産承継遺言」があるときは、不動産の所有者となる相続人の他、遺言執行者自ら、相続の登記申請ができることを付言しておきます。
以上、遺贈とそれに関連する登記手続きについて説明しました。少しばかり専門的な話となりましたが、何かの折に参考にしてみてください。
令和5年4月から、不動産登記法の改正により、相続人に対する遺贈は、その相続人が単独申請できることになりました。単独申請とは、登記申請の原則である共同申請の例外です。登記をすることにより、直接に利益を受ける者と、直接に不利益を被る者とが共同して、その登記を申請しなければならない、という原則があります。その例外とは、共同ではなくどちらか一方が、登記申請をすることを法令で認められている、ということです。
法改正以前は、遺贈の登記については、受遺者が誰であれ、遺言執行者(いないときは法定相続人全員)が登記義務者となり、受遺者との共同申請でした。改正により、相続人が遺贈を受ける場合だけは、登記義務者の関与が不要となったということです。(ただし、共同申請形式の構造に変わりなく、申請書には登記義務者の表示が必要です)
このように、相続人への遺贈登記の申請が簡便化することになったわけですが、ひとつ思うことがあります。遺言者の相続人となるであろう人(推定相続人)に対して、遺言により財産を相続させるのではなく、あえて遺贈という方式をとるということは、実際あまりないのではないかと。というのも、子や配偶者などの特定の相続人に財産を譲る方法(意思表示)として、特定の財産を共同相続人の一人または数人に承継させる旨を、遺言の内容とする「特定財産承継遺言」が、一般的に使われている方式だからです。
なお、この相続人への遺贈の登記の申請は、令和6年4月より義務化されることとなっていますので、ご注意ください。
そして、もうひとつこれに関連することで、従前の取扱いと違う点があります。相続人への遺贈の場合、登記義務者である遺贈者に住所変更があった場合、その登記は必要ないという点です。従前は、遺贈による所有権移転登記を申請するにおいて、登記記録上の住所と遺贈者の死亡時の住所が相違する場合は、住所変更の登記を前提ですることが必須でした。改正を機に、相続人への遺贈の場合には、その申請に住所変更を証する情報を添付することで、こと足りることになりました。権利者の単独申請ができることになったため、相続登記と同様の運用にしたのでしょうか。ただし、相続登記とは違い、申請書には先に触れた通り、遺贈者である登記義務者の住所氏名を表す必要があり、その住所は死亡時のそれを表すことになります。なお、相続人以外への遺贈による所有権移転登記申請につき、遺贈者の住所変更登記を要する取扱いは、従前のままで変わっていません。
他に遺贈の関係で注意すべき点として、その遺言に遺言執行者が指定されているときなどは、その者が遺贈による所有権移転登記の申請をする、つまり登記義務者となり受遺者と共に申請する、という点です。言い換えれば、遺言者の相続人は登記義務者として、申請には関与しない(関与できない)ということです。ただし、先述の相続人への遺贈の登記ならば、遺言執行者が出てくる余地はなく、関係のないことですが。
また、遺贈ではありませんが、「特定財産承継遺言」があるときは、不動産の所有者となる相続人の他、遺言執行者自ら、相続の登記申請ができることを付言しておきます。
以上、遺贈とそれに関連する登記手続きについて説明しました。少しばかり専門的な話となりましたが、何かの折に参考にしてみてください。